Vol.0313 生活編 〜グッド・カルマ〜

「友人から送られてきたメールです。個人的にダライ・ラマはとても尊敬しているので」という一言が添えられた、香港の友人からのメールを受け取ったのは5月25日夜のことでした。子どもを寝かせ、キッチンの片付けが終わってホッと一息ついた時にこのメールに気づき、「おや?」と、思いました。その日はちょっとしたことがあり、とても特別な日だったので、そんな1日の終わりを締めくくるには、あまりにも"出来すぎた計らい"に思えたのです。「何かあるな」と、漠然と感じながら、僧侶に囲まれ、きらびやかな布がかかったテーブルにつくダライ・ラマの写真と、その下の「グッド・カルマ」と題された英語の文章、それに続くダライ・ラマ自身の言葉に吸い寄せられていきました。

「グッド・カルマ」
これは読むのにちょうどいいし、しかも短いから楽しんで! ダライ・ラマの2005年に向けた言葉なの。ぜひやってほしいのは、パッと読んで考えるってこと。このメッセージは取っておかないで。マントラは96時間以内にあなたの手を離れなきゃいけないの。あなたにはとってもウレシいニュース(pleasant surprise)があるでしょう。これは誰にでも起きること。例えあなたが迷信深くなくても、どんな信仰を持っていても・・・。

「人生への訓示」
1. 偉大な愛と偉大な功績は、多大な危険性を伴うことを忘れるな。
2. 負けた時には、そこからの教訓まで失うな。
3. 3つの「R」を守れ。
    自身を敬え(Respect)
    他人を敬え(Respect)
    すべての行動に責任(Responsibility)を持て
4. 欲しかったものが手に入らなかったことは、時としてもっけの幸いになることを忘れるな。
5. 規律を学べ。それでこそ正しく破る方法がわかる。
6. 些細な諍いで偉大な関係に傷をつけるな。
7. 間違いに気づいた時は、正すためにすぐ動け。
8. 毎日、ひとりの時間を持て。
9. 変化には柔軟でいろ。しかし、自身の価値を見失うな。
10.沈黙が時には最高の返答であることを忘れるな。
11.善き、尊敬される人生を生きろ。老いて思い出せば、2度楽しむことができる。
12.愛に満ちた家庭は人生の礎。
13.愛する人と意見が対立した時は、現状だけを問題にしろ。決して過去を持ち出すな。
14.持てる知識を分かち合え。それこそが永遠への道。
15.地球に優しくあれ。
16.1年に1回は今まで一度も行ったことのない場所へ行け。
17.最高の関係とはお互いへの愛がお互いへの必要性を上回っている状態をいう。
18.成功はそれを得るために何を諦めたかで判断しろ。
19.愛に行き当たったら、捨て身で進め。

意訳なので、解釈が間違えていたらすいません。この中で目が釘付けになったのが、「11.善き、尊敬される人生を生きろ。老いて思い出せば、2度楽しむことができる」でした。やましさや後ろめたさのない、かと言って独りよがりでもない、まっすぐで曇りのない人生は、私の理想中の理想です。この一文を目にしたとたん、この数週間、心の中でわだかまっていたものがスッと引いていきました。「そうよ!私にはこの生き方しかない」と、原点回帰の思いでした。

「老いて思い出せば、2度楽しむことができる」という後半部分には、さらに心惹かれました。なんて優しく、甘美な響き! 老いた自分が過去を回想して微笑んでいるなんて、想像するだに嬉しくなります。それこそ人生の晩年の理想のかたちではありませんか? 映画のタイトルではないですが、まさに「ライフ・イズ・ビューティフル」♪

4は「人間(じんかん)万事塞翁が馬」そのもので、これも私の座右の銘。この年になると何度も何度もそんな場面に立ち合っており、「上手くいかなかった」ことへのありがたみに、素直に感謝できるようになります。「そうか、あの時上手くいかなかったのは、今になってこれをするためだったんだ」と、気づいた時こそ、深い啓示を得、感動が心に刻まれます。天の配慮は、狭く薄く近視眼的な人智など軽々と超えた、広く深く偉大で、しかも粋なものなのです。10はやや耳が痛く、2と7はビジネスの現場で徹底的にたたきこまれ、私生活でも活きています。3、12、14、15は一生涯の目標です。

「マントラが96時間以内に離れていくのなら、丸4日以内、29日の夜までに"ウレシいニュース"があるのかな?なんだろう?」と思っていた矢先、本当に信じがたいことが起きました! 不可能が可能になったとしか言いようがありません。こういうことって本当にあるんですね。詳しくは次回に譲るとして、まずはダライ・ラマの言葉をみなさまに贈ります。何かピンと来るものがあっても、「ふ〜ん」と読み流しても、マントラはしばし、あなたとともにあることでしょう。みなさまにも吉報が届きますように。

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「マヨネーズ」 思わせぶりな尻切れトンボですいません。起承転結は次回に。ニュージーランドに来てから、本当にこの手の不思議なことがよく起きます。人生って面白い!

西蘭みこと