Vol.0333 NZ・生活編 〜夢へのドライブ−NZ免許に挑戦〜          2005年8月6日

「キミがクルマで出かける時さ、いつも思うよ。"また、会えたらいいな"って」と、夫に心配され続けてきた私の運転。しかし、ついにニュージーランド免許への書き換え期限が来てしまい、重〜い腰を上げて実技試験を受けてきました。日本の免許で乗っていてもいいのは入国して1年だけ。(実際は国際免許に切り替えたりして何年も乗っている人が珍しくないそうですが)ところが、私は週に1回ハンドルを握るか握らないかのペーパードライバーに産毛が生えたようなもの。運転暦もNZでの1年のみ。

走行距離など、(グレン・イネス×○回)+(レミュエラ×○回)+(ネコの検疫所があったタカニニ×○回)+ハミルトン+その他友人宅など=○○○キロと、バッチリ計算できそうなくらいです。そのため、なかなか気が進みませんでしたが、夫に励まされ(=「こっちの免許を持ってないと自動車保険の免責額がバカ高いからなんとかしてくれ〜」とせっつかれ)、タイムリミットのギリギリで受験してきました。いつも通り、お役立ち情報はありませんが(堂々^^;)、どんな感じだったかをサクっとご報告します。

筆記試験は自動車協会(AA)という、車両登録から免許発行まで「クルマのことならなんでもココ」という機関で、予約なしの飛び込みで受けることができます。試験勉強は前夜3時間の超一夜漬け。でも、「ロードコード」と呼ばれる教則本は読んでおくべきだと実感しました(今さら遅い^^?) 日本で教習所に通っていたのはたったの2年前なので、けっこう細かいことを覚えていますが、NZ独特なものとして有名な"右から来るクルマ優先"以外にも、かなり違うところがありました。

AAで「免許書換え申請用紙」に記入し、84ドル(約6千700円)を払うと、その場で免許証用の写真を撮られ、問題用紙を手渡されます。その辺のボックス席に座って1人で試験開始。試験時間は確か30分だったと思いますが、スクラッチ式でたったの35問ですから、見直してもものの10分もあれば十分です。教則本にあるのとまったく同じ絵と出題なので、見ただけで答えがわかるほどです。(もちろん、侮らないでしっかり読みましたが) 日本のような引っかけ問題がなく、非常に単純明快ストレートです。落とすためではなく、基本のキを理解しているかを確認するのが目的なのでしょう。

テストにはこんな出題も。
問題:「羊の群れが向かってきます。どうしますか?」
(彼らと道で出会ったら?→)
回答:@クラクションを鳴らして蹴散らす
A減速して道の脇に停車する
Bハザードランプを点けて走行する
Cヘッドライトを点けて走行する

って、思いっきりNZですよね〜♪ 答えは当然ながら、Aです。実際に南島で彼らに出くわしてみたらすぐわかります。モコモコ動く白い立体絨毯が道幅目一杯、歩くよりもゆっくりと気まぐれに移動していくのですから、クラクションを鳴らそうが徐行しようが、脇をすり抜けられるなんてもんじゃありません。練習問題には確か、「羊飼いに文句を言う」と回答例もありました(笑)

筆記に受かると、その場で実技の予約が取れます。今度は70.80ドル(約5千600円)を払い、予約票と筆記試験に受かった旨の仮免許をもらって手続き終了。私は数日後の朝9時に予約を入れました。日中は夫がクルマを使うことが多いので、少し早めです。予約自体は朝8時半から入りますが、9時前は通勤時間に重なりそうで、さすがにパス。試験前に一度、夫と試験会場のAAに行き、出入り口と駐車場を確認し、高速の入り口をチラっと教えてもらいました。周りを走ってみた方が良かったのですが、時間もなかったので下見はそれまで。試験の前日には朝の渋滞を見るため1人で試験時間に合わせて行ってみました。シティーとは反対方面なので、道路状況はまあまあ。後は晴天を祈るのみ。

当日は快晴で見通し良好♪ 早めに着くと他に華人系の若い女の子が2人来ていました。それぞれ付き添いのボーイフレンドが、「あそこは道が細いから」「右折の時は」と熱心に最後の最後の解説中。「ちぇ」と思いながら独りでぢっと待つ既婚者。時間通りに3人の教官がわらわらっと現れました。男性2人に女性1人。みんな黒いサテン地のトップガン風ジャンパーを羽織っています。私の担当官はレイバン風サングラスをかけ、「この人が元警察官じゃなかったら、なんなんだ?」と思うくらい、見るからに折り目正しそうな人。少々時代がかった「歩く規律」、「ロード・オーソリティー」という雰囲気。

オーソリティーですからフレンドリーでも馴れ馴れしくもありません。本人確認をすると「クルマは?」と言いながら威厳を持って歩き始めました。愛車のサーブに2人で乗り込むと、彼はさっさとシートの位置を直し、持参のミラーを取り付けています。「右折左折は事前に言うから、それ以外は直進だ。速度は自分で決めろ。ハザード(危険物)の確認をするから、その時はクルマでも人でも犬でも、動いてたもの全部を言うように。質問は?」「時間はどれくらいですか?」「35分までだ。じゃ、発進。」 こうしてニコリともしない、オーソリティーとのドライブが始まりました。(つづく)

******************************************************************************************

「マヨネーズ」 筆記試験の練習問題で思わず笑ったのに、
「夜間の運転にはどのライトを点けますか?」
@ヘッドライト
Aパーキングライト
B車内灯
Cハザードランプ

っていうのがありました。他にも、白地赤丸の時速50キロの標識の絵を指して、「この意味は?」とか「走行中にボンネットが開いて前が見えなくなったら?」っていうビックリ出題も。

四角い黄色地に黒い煙を出した汽車の絵の意味を聞いて、
@子どもの遊び場
A駅
B踏み切り
C鉄道博物館

という粋な答えも♪ 割れた窓ガラスが道に散らばってしまった時は「安全な限りすぐに掃く」が正解でした。「警察に連絡する」はXで、高速だったらどうする? あと、「高速でヒッチハイカーを拾ってはいけない」というのもありました(爆)

西蘭みこと