「西蘭花通信」Vol.0394  NZ編 〜不動産チャチャチャ−不動産耳年増〜  2006年4月29日

ここや日記「さいらん日和」でも繰り返しお伝えしてきたように、西蘭家はただ今、マイ ホーム探しの真っ最中。ところが、メルマガ「ホーム・スイート・ホーム」で言っていたような家に限定して探しているため、どうしても出会いが少なく、なかなか決まりません(笑) せっかくだし、特に急いでもいないし、値段もジリジリ下がってきたことだし、
「これだ!」
という家に出会うまで気長にいきましょう。

この10ヶ月で60軒以上の家を見た結果、ずい分と"キウイ不動産耳年増"になってきたので、今回はいろいろなエキスパートから聞いた興味深い話をお伝えします。

不動産を売る大きな理由のひとつ――離婚
結婚したカップルの2組に1組が離婚する国なので、これは現実です。
「妻(もしくは夫)が出て行ってしまって住宅ローンが返せない。」
と、マイホームを手放すケースはけっこうあるそうです。正式に離婚となれば財産を現金化して分け合うので、家は真っ先にその対象となるようです。私たちも数件の物件で、
「ひょっとして?」
と思ったことがありましたが、もちろんそうかどうかはわかりません。

売り手がどんな理由で売ろうとしているかは、買い手にとって重要です。というのもニュージーランドの不動産はかなりがオークション、つまり競売で売却されるため、売り急いでいる物件であれば、高値をつけなくても買える可能性があるからです。そんなことは露知らずの熱心な買い手が競り合うと、けっこうな高値になったりします。(最近は市況が冷えてきて、こうしたケースは減っているのでしょうが)不動産屋は顧客の個人情報を公開できないので、
「離婚でローンの返済に行き詰って。」
などとは口が裂けても言えません。ここからは買い手の第六感次第。

不動産屋への最もよくある質問――「どうして売るんですか?」
ある不動産屋は、
「我々が顧客情報を明かせないのがわかっていながら、どうしてみんな同じ質問をするんだろう。」
と憤慨していましたが、私たちも毎回たずねています(笑) 答えはいつもだいたい同じで、
「オーストラリアで仕事をすることになった」
「子どもを寄宿学校に入れる」
「もう1軒買った」
「リタイアして地方に行く」
などです。

外国で職が決まったにしては何週間もオープンホーム(下見会)をしていたり、
「オークランドに住んでいながら市内で寄宿?学期の途中で?」という素朴な疑問も。
もう1軒購入する場合、「買い替えなら普通、売りが先。2軒目の投資物件なら1軒目を手放すということは返済が苦しい?」そんなことをあっけらかんと言うかしら? 
「リタイアするには若すぎない?」と思われるほど小さな子どもがいる家庭
・・・・ とまあ、こうした答えは一種の"お約束"と思った方がよさそうです(笑)

家を決める人――それはいつもママ
これは一般的にもよく言われていることで、
「女性のハートをつかむには水周りを直せ!」
です。売却に向けて改装したのがありありのキッチンやホテル風にバスタブとシャワーを分けたバスルーム、シンクもお洒落にガラスや陶器のボールにして・・・と、あの手この手。確かにオープンホームに行くと、自分も含め女性の方が長い間キッチンを見ています。収納は、ガスか電気か、明るさは、冷蔵庫の位置は・・・とたくさんのチェックポイントがあるものです。

ところがある不動産屋によると、
「どこの国の人でも家はママが決めるんだ。彼女がイエスと言えばイエスなのさ。ただし、ある国の人を除いてね。」
その人たちとは・・・?
「日本人だよ。彼らだけは男が決めるんだ。不思議だよ。」
と。彼は業界経験25年、それなりの経験に基づいての話なのでしょう。うちは圧倒的に私の意見が尊重されるので(というか夫は下駄を預けてくれるので)、やっぱり平均日本人とはかけ離れてる´。`?

買ってはいけない夏の家――買うなら冬に
とある日本人投資家からのアドバイスです。ニュージーランドの夏は晴天が多く、白壁に濃いグレーの屋根の家はどこから見ても青い空によく映えます。おまけに庭は青々と草木が茂って花盛り。Picturesque(ピクチャレスク、絵のように美しい)――という不動産広告の決まり文句がピッタリな家がゴロゴロあります。彼曰く、
「どの家もよく見えるから買ってはいけない。」
のだと。
(不動産探しを始めた去年の冬、最初に見た家。雨上がりの緑がきれいでしたがプールは寒そうでした。すごい高値で即、売れていきました^^;→)

確かにこの国の場合、家の真価は冬に発揮されます。冷え込み具合、長雨の季節のカビ、雨天の家の中の暗さ、冬場の日当たり、果ては雨漏りがないかどうか(築百年の木造住宅が普通に使われている国なので)など、冬の悪天候の日のオープンホームに耐えられるかどうかは重要です。現にある友人は冬場の冷えに耐えられず、夏に家を売却していました。

とは言っても不動産は出会い。特にマイホームとなれば出会いは大切なので、それが必ずしも冬になるとは限りません。自分たち以外誰もいない雨の日のオープンホームで暇そうな不動産屋と話し込み、いろいろ教えてもらったり、というのもまたいいものです。

季節は秋。これから冬にかけて、いい買い物ができますように。


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「マヨネーズ」
最近のインフレ、けっこうズッシリきています。ガソリン代がとっくにオイルショック時の高値を抜いて青天井になってきたこともありますが、それ以上にNZ安による輸入インフレを実感しています。

「今、店頭に並んでいる商品がNZドル高だった頃の最後の在庫。テレビやDVDを買い換えるなら今がチャンス。何か要らないか?」
と、日系家電大手のキウイの友人が気づかってくれました。そうは言っても、うちの場合はテレビなんて1台あれば十分だし、買い替えの予定もないし。今あるもので耐え忍びます(笑)

西蘭みこと