「西蘭花通信」Vol.0466  生活編  〜権利とリサイクル〜                  2008年5月9日

先日、西蘭家に新しいエスプレッソマシーンが来ました。本来であれば、
「おいしいコーヒーが飲める♪」
と、コーヒー党の夫婦は手に手をとって大喜び・・・な場面ですが、今回に限っては私も夫もかなり凹んでいます。なぜって、このマシーン、半年で3台目なのです(((@@)))

最初に買ったのは去年のクリスマス直前でした。その前のマシーンは1年使いましたが、後半の半年はどんなに掃除をしても水が漏れて漏れて;_; 毎朝できてくるのは、エスプレッソではなくアメリカンでした!それでも騙し騙し使い続け(飲むのは本人なので全然騙せてはいなかったんですが)、なんとか1年使ったところでギブアップ。出てくるコーヒーよりも水の方が多くなり、どうにもならなくなりました。やむなくクリスマスを前に買い換えることに。

2回とも買ったのはオーストラリア・ブランドでした。香港時代にオランダ、イタリア、ドイツとEUメーカーをそれぞれ試していたので、「どんな機種でも時間の問題で漏れ始める」ということは承知していました。どうしてもどこかがコーヒーかミルクで詰まってしまうようなのです。しかし、家庭用ですから分解して掃除ができるわけではなく、対処できる部分は限られています。
「だったら安いオーストラリア製で十分では?」
と考えました。

1台目がもったのは、正味半年。それまでの"ドイツ>オランダ>イタリア"の耐用期間から言えば、イタリア並みでした。ちなみに値段はイタリア製が断トツに高かったので、
「あのイタリア製の何分の1かの値段だから仕方がない。」
と不承不承溜飲を下げました。しかし、2回目はさすがにそのメーカーを買う気にはなれず、オーストラリア製でも別のメーカーにしました。
「少しはマシになるのでは?」
という期待と、
「でも、また漏れるだろうな〜」
という不安と五分五分で。慎重に4割引のバーゲンを狙ってリスクヘッジもしました。

カフェのバリスタから、
「ミルクを泡立てると、詰まるタイミングが早まる。」
とも聞いたので、せっかくミルクフローサーが付いているのに一切使わないことにもしました。どうにかして耐用期間を延ばし、大切に使いたかったのです。漏れること以外問題のない機械を毎年買い換えるのは真っ平でした。使うお金も生じるゴミもまったくもって不本意でした。

それほど期待をこめていたにもかかわらず、2月にはもう漏れ始めました。使い始めて2ヶ月。1日約2回使うとして回数にして約150回の時点でした。それまでの最短です。よくよく見たらコーヒー豆をセットして蒸気をかける部分のパッキンのようなゴムがずれたまま戻らず、お手上げでした。1年間の保証期間内なので買った店に持っていくと、話を聞いただけで試しもせずに、その場で新品と交換してくれました。

この太っ腹な対応に、
「ラッキー♪」
と夫婦で大喜び。再び毎朝、濃いコーヒーを愉しめるようになりました。しかし、喜んでいたのもほんの2ヶ月。今月に入って再び漏れが激しくなりました。しかも同じ場所です!強い蒸気をゴムの部分が封じ込められないのか、脇から蒸気が飛沫となって噴出してくるのです。それがひどくなると水(実際はお湯)が漏れてきます。

再び店に持っていくと、ニコニコしながら即交換。店側はこれが3台目であることをもちろん承知しています。その上で、
「1台目の保証期間なら何回でも交換しますよ〜」
と念押しまでされました。メーカー保証なので、間に立つ店は痛くも痒くもないのでしょう。
「とっとと交換して顧客の心象を良くした方が得!」
といわんばかりの対応です。

こうして半年以内に3台目のマシーンをゲットしてしまった私たち。もう「ラッキー♪」どころではなく、気分はどんよ〜り。あのゴムの部分をちゃんと作るか、ゴムが交換できれば、問題のない機械本体はまだまだ使えます。手っ取り早く交換してしまうため、先の2台はただの粗大ゴミです。日頃から真剣にリサイクルに取り組んでいる身には、かなり辛い「仕組み」でした。しかし、毎朝お湯コーヒーを飲み続けるわけにはいきません。

そこで、ニュージーランドの消費者保護法を改めて紐解いてみました。それによれば、問題が発覚した場合、
「小売業者は修理、交換、返金のいずれかを選択できる」
とあります。逆に言えば、「選択しろっ!」と。また、問題が深刻で消費者がその商品を拒否する場合、店側は現金、小切手、クレジットカードへの返金のいずれかの方法で全額を返金しなければならない、ともあります。返金をその店だけで使える商品券などで代用することはできないのです。「ふむふむ」となおも読み進んでいくと・・・(つづく)

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「マヨネーズ」
「うぅ〜む、(つづく)にしちゃって大丈夫なんだろうか・・・」 と思いつつ(つづく) ̄▽ ̄; 
「来週はあんまり仕事が入らないだろ〜♪」という甘〜い期待で見切り発車・・・、と真新しいマシーンで淹れ(てもらっ by夫)たコーヒーをすすりながら書いています。ニュージーランドの買い物は移住当初のお鍋事件以来、 だんぜん"悩み≫楽しみ"です。

経済規模が小さい上に人口密度が低いという、最も経済効率が悪い条件が揃っているため、他の国を知っている移民にはどんなモノでもサービスでも大変割高感があります。経済効率の面では冗談でなく世界一とも言えそうな「買い物天国」香港から来た身には、まさに「買い物地獄」です。

「でも生鮮食料品と乳製品は新鮮で安いから仕方ないか〜」 と自分を言い聞かせてきたのですが、昨今の世界的な商品価格の高騰で乳製品も、
「こっ、これが酪農国の値段(((@@)))?」
というほど値上がりして、買い物ピ〜ンチ><!  

西蘭みこと

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