「西蘭花通信」Vol.0611  生活編 〜2013 年2月〜                        2013年3月3日

2013 年2月は思い出深い月でした。盛りだくさんだった1月が終わり、ゆるゆると始まった2月。節分も終わって、
「いよいよ2013年も本格スタートだな〜」
と思った矢先の2月4日。
「猫いらない?可愛いクロ猫がいるのよ。」
という不動産屋の一言で、なんと、なんと仔猫2匹を譲り受けてしまいました!2年ぶりの飼い猫です。
  (長男クロ。どこもかしこもまっ黒な、慎重で腕っ節の強いクロ猫→)

その日から生活がガラリと変わり、愛猫ピッピとチャッチャを家に迎えた20年前が蘇り、ついでに起床時間とは関係なく物音や泣き(鳴き?)声で目覚める、子どもが小さかった頃も蘇ってきて、老後に片足を突っ込んでいたような静かな生活が一変しました。しかし、その可愛さたるや、
「孫もこうなんだろうか?」
と思ってしまうほどです。
    (次男コロ。靴下+エプロン+パンツありのお茶目なクロ猫→)

その間に借家のテナントが引っ越すことになり、不動産屋、植木屋、大工と、関連する業者と連絡を取り合い、テナントの入れ替えという大家として初めての経験をしました。空室の間に、いつ、何ができるのか?業者の日程だけでなく予算もあるので、見積もりを取り、内容を確認し、ものによっては不動産屋に頼みと、電話やメールの連続でした。

そうこうしているうちに、名古屋の長男・温(19歳)のラグビー部の先輩がNZに1ヶ月間ラグビー留学することになり、間にエージェントが入っているとはいえ、こちらまでそわそわそわそわ。
「所属するクラブは?」
「ホームステイ先は?」
と、あれこれやっていたのですが、世は新学期。ホームステイを受け入れている家庭は、まさに生徒が入ったばかりのタイミング。

「今週来る!」
という段になって、とうとう我が家がホームステイ先に名乗り出ることにしました。クラブまで徒歩圏内、語学学校のあるシティーまで10分という足の便はバッチリなものの、日本語環境になっていまい、キウイ体験ができないのは申し訳ない・・・・と思っていた矢先、古くからのキウイの友人が、
「1ヶ月だけならいいわよ。」
と声をかけてくれ、到着前々日になって、無事キウイのステイ先が決定!

友人は小学校の先生で、訛りのないきれいな英語を話すだけでなく、どんなレベルの英語にも対応可能で、一を聞いて十を理解してくれるノンネイティブには神のような人!長年ホームステイを受け入れてきたのですが、温と同い年の長男が大学に進学したのを機に受け入れを止めていました。彼女の息子2人もスポーツ好きのティーンエイジャーで、滞在先としては打ってつけでした。(先輩は長男に連れられ、早速キウイ式の飲み会デビューを果たし、みんなの飲みっぷりに驚いていました^^;)

そんな非日常が続く中でも普段の仕事をこなし、単発の仕事も入って、慣れない作業に試行錯誤の末に終了しました。1ヶ月が28日しかない短さをつくづく実感しました。1日たりとも無駄にはできないものです。仕事はいつもチャレンジの連続ですが、やり終えるたびに報酬以上の大きな大きな学習と達成感が残り、前へ前へと進んでいく意欲と、無から有を生じる愉しみの機会を与えてくれます。

2月はまた、温にとっても転機となる思い出深い月になりました。昨年9月からの日本での大学生活の開始で独り暮らしが始まりましたが、大学の寮という恵まれた環境の中、他の留学生とともに順調なスタートを切りました。しかし、たった5ヵ月で寮生活を終え、下宿を始めることになりました。寮には1年間居られるのですが、夏になって下宿を探すのは至難の業らしく、4月入学3月卒業の人たちに合わせて動く方がなにかと便利なため、この時期に引っ越すことになりました。

下宿候補や家具・家電選び、果ては、
「勉強机は?」
「こたつは?」
「カーペットは?」
と日本での生活経験がない分、素朴な質問がどんどん来て、意外だったり可愛かったりで、毎晩のようにメールをやりとりしてアドバイスをしました。30年前の経験でも何かと役に立つものです。自宅通学で下宿の経験がない夫の唯一のアドバイスは、
「ママとよく相談して。」
でした。

借家は小さな工事が終わり、無事新しいテナントが見つかりました。前のテナントは最後まで素晴らしい人で、心から感謝しています。温の先輩も語学学校とクラブの練習が始まり、今週末には一緒にNZラグビーの殿堂イーデンパークに繰り出し、観戦デビューも果たしました。ここでの生活を満喫している姿に、日本を満喫しているであろう温の姿が重なります。子どもの成長は誰にも止められず、特にこの年代は羽ばたいて行く勢い。どうあっても高く、遠く、手が届かない所へ行ってしまうのを痛感しています。

温の引越しも無事終わり、最後の夜は寝袋で寝て、次の人のために心を込めて部屋を掃除し、下宿に移ったそうです。同時に英語教師のアルバイトも決まり、これから一段と忙しくなりそうです。あとで振り返ったときに、きっとしみじみと思い出されるであろう2013年2月。なにげない毎日でも同じ日は2度となく、もっともっと心を込めて大切に過したい、と改めて思いました。

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「マヨネーズ」
「今日友達をリサイクルショップまで案内しに行ったら、楽天で見てたあのハンガーラックが中古で3500円で売っていました。運命だと思ったのでそこで買い、家で組み立てました。」
ハンガーラック(カーテン付きの簡易クローゼット?)の件も何度も何度もメールでやり取りし、1〜2万円ぐらいするので慎重になっていたら、こんな結末に!

西蘭みこと 

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