「西蘭花通信」Vol.0621  生活編 〜2013 年4月〜                     2013年5月11日

「すでに今月も3分の1が終わってしまい、後半には秋休みも始まります。今の目標は学校休み前にできる限り仕事を片付けておくこと!」
と、前回の〜2013 年3月〜で言っていましたが、けっきょく仕事を引きずったまま20日からの秋休みに突入しました。

秋休みは半年ぶりに「4人家族」に戻りました。もちろん名古屋で暮す長男・温(19歳)が帰ってきたわけではありません。知り合いのお子さんで、次男・善(16歳)と同い年の日本人の留学生クンと一緒でした。彼は普段、学校の寮で暮していますが、学校休みのときは寮が閉まるため、ホームステイ先を探す必要があります。イースターホリデーのときも寮が閉まり、インド系の家にステイしていたのですが、「朝からカレー」という話を聞いてさすがに気の毒になり、我が家がステイ先になることになりました。

たった半年ぶりだというのに、料理の時に4人分の感覚を忘れているのには自分でも笑ってしまいました。留学生クンはラグビー留学で来ているので、食は特に重要です。温が肉食を止めてから食卓に上る肉の量が一段と減り、もともと薄味、カロリー控え目だった西蘭家の食はほとんど「成人食」(「老人食」という噂も)となっていたため、カロリーUP、ボリュームUP、味もやや濃い目を心がけました。4人の食卓はそれはまた楽しいもので、ふと1人で食べている温のことを思い出してしまいました。

 一緒なのは食事に限りません。この機会に、「ラグビー関係以外で遠出したことがない」という留学生クン、普段だったら親との旅行などにべもなく断る善も一緒に、ファーノースのホキアンガカイタイア、NZ最北端のケープレインガまで足を伸ばし、秋の行楽を楽しんできました。幸いお天気にも恵まれ、海に緑にNZの原風景のような眺めを存分に満喫できました。留学生クンも初めて見るNZ原生の巨木カウリの木に、
「でっけ〜!」
と感嘆の声を上げていました。木に感動する、これも貴重なNZ体験でしょう。
                    (10年ぶりのケープレインガ→)

他にもラグビーを観に行ったり、買い物や食事に行ったりしました。留学生クンのおかげで善までもれなくついてきて、久々に家族気分を味わいました。
「この家に来てからよく眠れる」
と言われたのも、素直な感想で嬉しく思いました。ある夜には廊下に出ると留学生クンの部屋から話し声が・・・。
「誰かとスカイプでもしてるのかな?」
と思ってもドアの隙間からは灯りが漏れていません。

「もらえる、もらえる、もらえるんだよ〜!!!」
と、すっごく嬉しそうな弾んだ声が聞こえてきて、思わずドアを開けて、
「なにが?」
と聞きそうになってしまいましたが、どうも寝ぼけていたよう。なんだかわからなくても、思わずこっちまでガッツポーズになる声でした。翌朝その話をしてみると、本人笑ったまま「覚えてない」と。ティーンエイジャーがあんなにも喜ぶ、「もらって嬉しいもの」ってなんだったんでしょう?「楽しそうな寝言≒いい夢?≒安眠?」だったとしたら、なによりです。

秋休みに入るまでの前半は、家の片付けと仕事に勤しみました。改築以来5年ぶりにガレージを大掃除し、収納場所を変えたり、不用品を引っ張り出したりして、全面的に棚の中を見直し、キッチンやストアールーム(収納部屋)も同様で、死角がないかどうか、掃除をしながら再点検。

3月に2年に1度の粗大ゴミ回収があったので、再利用できないものは一掃していましたが、まだまだ使えるものを探し出し、引っ張り出し、難民受け入れ団体に寄付。芝刈り機や電動雑草カッター、3人家族になって不要になった大きめのキッチン用品だの、生活用品や衣類だのをドーンと寄付してきました。「絶対に役立つ」と思うと、普段よりも思い切って見切ることができ、おかげさまでこちらの運気まで上昇したように感じます。この団体は長年気になっていたので、こうして協力が実現したのは幸いです。

4月7日からは夏時間も終わり冬時間に。時計の針を1時間進めて、日本との時差は3時間になりました。今年の夏は長く暑く、秋めいてくるはずの4月はいつまでも晩夏の様相でした。農村部では深刻な雨不足は大打撃ですが、こと都市部での晴天続きは外出の行動範囲や時間が広がって助かることが多く、なかなか充実した1ヶ月になりました。夫と2人の「西蘭家散歩部」で訪れたマウントアルバートのあまりの中華圏ぶりに、思わずメルマガ〜オークランドの近未来〜を書いてしまったりもしました。

暮していてもまだまだ知らないこと、行ったことがない場所はたくさんあります。当面は「国内LOVE」が続きそうです。猫を飼い始めたこともあり、海外旅行で何日も家を空ける気分ではなくなっていることも(特に私。夫は平気)、視線を内向きにしている気がします。それもまた、人生の流れ。いつものごとく個人的な計画はそこそこに、人知を超えた大きな流れに身を任せてみようと思います。

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「マヨネーズ」
今月も2桁の日数になってしまいましたが、「1ヶ月を振り返るの巻?!」を勝手に(笑)お届けします。

さすがに5月に入り、気に雨が増えて秋めいてきました。オークランドは朝晩の気温が下がっても、雨さえ降らなければご機嫌なお天気とそこそこの気温が保障されるので、もう一生ここより南には住めなそうです。

移住前の下見の時以来、10年ぶりに訪れたカイタイアやケープ・レインガは本当に懐かしく、6歳直前だった善もモーテルの子どもたちと遊んだのを覚えていて、
「ベイブレードした。」
と言い出しました。
(当時の話は〜へイデンとウィスキー〜でも)子どももメルマガも、簡単に10年前に遡れるようになったんですね〜(しみじみ)

読者の方々に感謝いたします。

西蘭みこと 

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