「西蘭花通信」Vol.0651  生活編 〜ブルースプリング・レポートVol.28:2度目のクリスマス〜       2013年12月27日

長男・温(19歳)が名古屋に行くまでは盛んに更新していた、このシリーズ。行ったとたんに更新がなくなり、今年はゼロ!というのに今さらながら気がつきました(汗) ブログ「さいらん日和」の方では「名古屋便り」 というカテゴリーを設けて、時折更新していたのですが、読者の中には「メルマガだけ」という方もいらっしゃるようなので、こちらでも久々に取り上げてみます。

温は名古屋大学に9月生として入学し、無事2年生になりました。下宿生活にも慣れ、アルバイトに勤しみ、充実した毎日のようです。今回が2度目のクリスマスです。去年は12月に入り、寒さと雪に驚くやら感動するやら、クリスマスよりも日本の冬の方がインパクトが大きかったようで、クリスマスらしい話題はほとんどありませんでした。

それよりも、寮の暖房費が心配な留学生仲間が、寒さに耐えかねて暖房をつけっぱなしのマレーシア人留学生の部屋に入り浸って、みんなで『節電』とか、野菜と魚しかない草食男子の温の部屋に集まって鍋をやり、みんなで『野菜補給』とか――― 親元と国を離れたばかりの10代の知恵比べ、日本でのサバイバルぶりが話題の中心でした。

習うよりも慣れろで、あっという間に日本の生活に馴染んだ彼ら。率先して動いた温の音頭取りもあって、1年間は居られる寮をとっとと出てしまい、独り暮らしを始めました。温はほぼ同時期に英会話教師のアルバイトを始め、毎朝5時起き、7時からレッスンという登校前の荒業で、今や納税の心配が出るほど本格的な「温先生」になっています。

(留学生仲間とスノボへ。去年はできなかったことで、日本暮らしに慣れてきた証拠?右から3人目が温→)

「稼いだら投資」というのが西蘭家の鉄則。1年生の終わりの夏休みには1ヶ月間台湾に留学し、みっちり中国語をやってきました。32年前の私と全く同じです。温は私に似たところがあるので、
「きっと台湾にハマるだろう。」
と思っていたら、案の定、留学中から再訪決定!春休みにも再び1ヶ月滞在し、今度はマンツーマンでさらにみっちりやるようです。夜店にハマったのも母と同じ。草食でも全く困らないそうです。

ある日、台湾でオールブラックスの試合を観るためにバーいると、同じ語学学校に留学していたオーストリア人にばったり会い、
「これからサルサバーになるのよ。」
と言われ、試合終了後も残って観ていると、みんな楽しそうに踊っています。
「これはいいかも!」
と日本に帰ってからサルサを習い始め、今や週2で通っているそう。1回はマンツーマンなので先生から1時間半の個人指導。平日昼間は「主婦ばっかり」だそうで、そこに身長186cmの温がキリンのように混じっているのかと思うと、かなりウケる絵です(笑)

一時は名大のラグビー部にも入っていたのですが、ラグビー以外の体育会的な付き合いの比重の高さにカルチャーショックを受け、一緒に入部したアメリカ人とともに退部。
「ボクたちはただラグビーがしたかったのに・・・」
と言っていましたが、今はサルサに集中でき純粋にダンスを楽しめるので、とてもエンジョイしているようです。春にはあのオーストリア人も再び留学してくるそうで、今度は一緒に踊れる?

2度目のクリスマスは留学生4人で、アフガニスタン料理へ!なんというエスニック度高めなチョイス(笑) 仲間の1人が宝くじで1万円を当てたので、それを原資に普段行かれない高めのお店(アフガン料理ってそういうもの?)に繰り出したそうです。最終的なお会計は1万4000円。4000円は残りの3人で出し合い、
「これからはみんなでお金をためて、半年に一回豪華な料理を食べようと昨日決めました。次は蟹ビュッフェを食べに行くと思います」
ということになったそうです。何ごとも経験、がんばって!

大掃除も早めに始めて、
「さぁ、いよいよ年末年始の休み♪上京して両家に挨拶して、親族や友人にも会って・・・・」
と、計画が目白押し。そんなクリスマス当日に、いつもの留学生仲間とお茶をしに行き、温ともう1人がパフェを食べ(全く飲まない人たち。まぁ、温は未成年ですが飲酒には興味ナシ)、もう1人は付き合っただけで何も食べずに帰宅。

夜中の2時、つまり翌日の真夜中に猛烈な腹痛と嘔吐で目が覚めました。もう1人も2時きっかりに同じ症状に見舞われ、食中毒ビンゴ!
「パフェの生クリームだと思う。」
とのこと。あまりの苦しさに2人で病院に駆け込み、5日間の絶対安静を言い渡され、ギャフン。パフェを食べた店に2人で行くものの「当店とは関係ありません」で門前払い。上京計画は急きょ中止。家でベッドとトイレを行ったり来たり。生涯初の食中毒がこんな時期とは!

この3人、寮を出て独り暮らしを1年近く経験した結果、再び一緒に住むことを検討中です。日本的に言えばシェアハウス、NZ的に言えばフラッティングというわけです。卒業まで一緒の割には、普段の生活はてんでばらばらで、5時起き、お弁当2個持ちで1日出ずっぱりの温、もう1人も朝7時台にはジムへ。もう1人は留学生中最悪の出席率で在宅率高し、という組み合わせだそうで、案外顔を合わさないかも?!夜は冬なら鍋、夏ならそうめん。または通年通じてマレーシアカレーの夕べになるとか?何ごとも経験、がんばって! (つづく)

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「マヨネーズ」

英会話教室は完全にマンツーマンで、当然ながら英語のみの会話。温が「NZから来ました」と自己紹介をすると、かなりの確率で、
「お父さんはマオリですか?」
と聞かれるそうです。「ハーフですか?」ではなく、マオリ限定なところがミソ(笑) 

高校生の時、歴史の授業でノースランドを訪れた時には本チャンのマオリから、
「どこのイウィ(部族)ですか?」
と聞かれてもいるので、日本人生徒さんの質問もあながち間違ってない?

西蘭みこと 

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