「西蘭花通信」Vol.0732 経済・生活編 〜人生100年時代を生きるために〜     2017年9月10日

過去2回のメルマガ〜リアル人生ゲーム〜、〜銀行行って褌を借りよう〜で、ハワイで日本語だとホテルコンド、英語だとコンドテルと呼ばれる住んでも良し、宿泊施設として貸しても良しという物件を購入した経緯を綴ってきました。実際に購入した物件はホテルの1室で、宿泊はできても居住することはできません。私たちはハワイに住むつもりも長期滞在する予定もなく、ホテルとしてしっかり経営され少しでも収益が上がることを望んでいるので、まさに理想の物件でした。

前回のメルマガで
「毎月25日には諸経費を差し引いた収入が銀行口座に振り込まれます。零細在宅自営業者に『給料日ができた!』と夫婦で大喜び」
と言っていましたが、8月25日にとうとう待望の給料日がやってきました(笑) 物件の引渡し日が7月7日の七夕の日だったので、私たちの所有になってからの7月の営業日は25日。そのうち宿泊があったのは25日!キター!いきなり稼働率100%(笑) アメリカ・カナダ・日本というハワイの三大市場をはじめ北半球が夏休み、南半球は冬休みというベストな時期が幸いしました。

稼働率100%ということは、宿泊料金が値上がりしない限りそれ以上の業績も望めませんが、ホテル投資1年生には心強いスタートとなりました。これからオンシーズン、オフシーズン、修理や改装、もしかしたら台風など自然災害といった予期せぬことを経験していくのかもしれませんが、いろいろ勉強しつつ金融体力を維持しながら、細く長くしっかり投資を継続していきたいと思います。

(部屋からの眺め。かなり望遠ですが・・・笑。民泊と競合しないようにあえてホテルを選びました→)


人生90年とも100年とも言われる時代。医療の進歩は日進月歩で、周りのボランティア仲間を見渡しても65歳の年金受給の開始で、やっとシニア1年生。その後の長い老後を思えば、まさにピカピカの1年生。70代ともなると、「あっちが痛い」「こっちが不具合」とは言いつつもまだまだ元気で、運転もすれば、孫とも出かけ、海外旅行にも行っています。80代でやっといっぱしのシニアの風格になり、90代を迎えた人たちは1度や2度は救急車のお世話になったことがあっても、円熟の老年期を過ごしています。

ボランティアを始めて10年以上。親しい仲間との付き合いも10年となり、自分も歳をとったものの、彼女たちの年齢の重ね具合もとくと見てきました。その中で「人生100年」がまんざら掛け声ばかりではないことも実感してきました。仲間の最高齢は90代に入りましたが、自分で運転してくるわ、仕事量も変わらないわで、数々のお手本を前にし、「こりゃうかうかしてられない!」と、50歳から本格的にNZで不動産投資に乗り出しました。

それまでも自宅として購入した物件の売買でキャピタルゲインをあげてきましたが、人生後半の投資はズバリ、インカムゲイン狙い。インカムは利息や配当が典型的ですが、私たちは根っからの不動産好きなので賃貸収入狙いです。まだまだローンが組める年齢なのでリスクを取って借金をしてでも、長期にわたってインカムを得ることができるもの、50年近く続くかもしれないこれからの人生を支えていけるものを模索しているところです。

先日会ったカナダ人は、将来のことを考えて一家でオーストラリアに移住してきたそうです。子どもが大学生にならんとする年齢で、私たちよりやや若い40代後半のようでした。
「キャピタルゲインなんて全然考えてない。今はインカムゲインが大事。1度に大きく『当てる』んじゃなくて、いつまでも続く持続性のあるものが大事なんだ。いつまで生きるかわからないからね。」
と彼が言い、全く同感でしみじみと話し込んでしまいました。人生100年のリアリティーは国籍とは関係なく、それに向けてギアをチェンジした人たちなら共有できるものなのだと思いました。

インカムゲイン狙いのいいところは、体制さえ整えればずっと続く可能性が高い反面、必要がなくなったらいつでも手仕舞えることです。100歳に備えてもその前にあっさり人生が終わってしまうかもしれないし、管理を人に任せていても投資を続けていく気力がなくなったときには資産を売却して現金化し、ローンの残高があればそれを返し、残った資金をやり繰りしていくという選択肢があります。日本のように不動産が値下がりする国ではその限りではありませんが、海外ではほとんどの場合で不動産は横ばいか値上がり傾向にあるので、それが可能です。私たちが購入したハワイの部屋は、前のオーナーが12年前に購入した金額と同額で売りに出していたものでした。

零細在宅自営業者に給料日ができた!と言っても、入ってきたものはローンの返済に消えていきます。NZドルでローンを組んでいるので米ドル高になれば、
「多少はおこづかいが残るかも?!」
という、ほのか〜な期待も(笑) しかし、言うほど米ドル高にもならず、今は北朝鮮の危険すぎる独り花火大会が続いているところなので、平常であればそれだけで幸いです。そうこうしているうちに8月もとっくに終わり、どんな結果になったのか?

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「マヨネーズ」

90代で最高齢のボランティアは誰よりも優雅で上品で、美しい肌を持ちながら、さらりと卑猥なジョークで年端の行かぬ初心な私たちを容赦なく打ち落とす、ビクトリア時代を今に生きるような人。90代どころか100歳まで生きても、彼女には追いつけませんわ(笑) 彼女の骨董への深い造詣、天性のユーモア、何よりも90代でもここまでできるというベンチマークとしての存在はボランティア全員が目指すところであり、希望です。

西蘭みこと 


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