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Vol.0134 「生活編」 〜夢へのドライブ 神がかり編〜

7月1日にとうとう運転免許をとりました。免許をお持ちの方には、「何で免許ごときにこんなに大騒ぎ?」と思われるかもしれませんし、メルマガで5回も取り上げるほどのことかと、書いている本人ですら自問しています。しかし、"公共交通機関を愛する"誇り高い歩行者"を自認してきた私にとっての免許は本当に特別なもので、今回の取得は大笑いですが運命的なものさえ感じています。一笑に付されるのを覚悟の上で、ちょっとした不思議体験でもあったので、あえて"神がかり編"をお届けします。

新型肺炎(SARS)回避でやってきた日本で、ある夕方に自動車教習所の送迎バスを見かけ、急に免許取得がひらめいたことはすでにお話した通りですが、頭の中にパッと電球が灯ったのです。それには少なからず驚いたものの、過去の例に漏れなければ、そうしたひらめきは必ず実現するはずでした。まるで神のお告げのようなものです。「私が免許?」、キツネにつままれたようでありながらも、瞬時にすっかり免許モードに入っていました。

「神との対話」という本を読んだことがあります。世界的にヒットして読まれた方も多いかと思いますが、これは苦境に陥った著者が神への苦情をしたためているうちに、自動口述筆記でその返事が来て、いつのまにか神と対話するようになったという実話です(実話と信じるかどうかは各人次第でしょうが、少なくとも私は信じています)。その中で描かれる神は非常に人間臭く、話がわかり、ユーモアのセンスがあるなかなかのナイスガイで、神話の世界で神と人間が一緒に暮らしていた頃は、さもありなんという状況が描かれていきます。

読後、漠然と信じていた神に対し親近感を覚えたことは言うまでもありません。以来、私の祈りは語りかけになり、願いが成就すれば必ず感謝するという"バーチャル双方向"なものになりました。以前の「転職が上手くいくように」といった"おねだり一方通行"は、「できる限り努力しますが、どうか実現するようお力添えください」と自助努力を約束するものに変わりました。他力本願では願いがかなわないような気がしてきたのです。幸せや夢の実現は、ある日突然降って湧くのを待つよりも、それに向けてどんどん進んでいった方が最終的に近道だということを、40年生きた結果、経験的に学んだのかもしれません。

私は対話は無理としても、「お告げ」に乗ってみることにしました。教習所に入校し、教習生番号を知らされると思わず笑みがこぼれました。同時に、初めて「免許がとれるかも」と思いました。番号は
「0320608」でした。日本人にとってはただの数字の羅列ですが、通算13年以上も暮らしてきた香港では、「3」=「上」に通じる発音で「上昇」の意、「2」=「易」と同じ発音で「簡単」、「6」=「路」で「人生の道筋や幸先」、「8」=最強の「発」と同じ発音で、「金儲け」や「成功」を意味すると、瞬時に読み解かれるのです。特に実際の教習生番号として日々目にした「608」は、まさに「ロード・サクセス」といったところです。

その後もこの手のことが続きました。教習所の千葉県下でのコードは「62」=ずばり「ロード・イージー」。他にも学科や技能試験の受験番号がめでたい数字だったり、私自身のラッキーナンバーだったこともあり、テスト前にニヤッとすることも多々ありました。路上教習を終えた卒業証明書番号は
「549」!「5」=否定、「4」=「死」、「9」=「久」に通じて永遠を意味するものなので、「永遠に死なない」と読み解けます。ずっと「事故を起こしたらどうしよう」と気に病んでいた私の背中を押してくれるような番号!これで「大きな事故を起こすことはないのかもしれない」と、ノー天気にも納得してしまいました。

卒業番号も「96」ですから「永遠の道」とでもいいましょうか、幸先の良さを示しています。そして臨んだ警察の免許センターでの最終筆記試験。受験番号は「10」と、非常に中立な番号で他に結果への手がかりになりそうなものはありませんでした。ともあれ、試験が終って試験結果を待つ間、自販機で紙コップのコーヒーを買いました。ガーガーザープシュージョーといろいろな音を立てながら挽かれた豆が液体になって注がれるまでの間、自販機のスロットマシーンが勝手に回り始めました。「ラッキー7」のようにたくさんある図柄の中から、コーヒー豆の絵が3つ並ぶと、お金が戻ってくるようになっています。私は最初から一番左側がコーヒー豆でした。クルクル回っている絵を見ていて「当たる!」と直感しました。果たして、コーヒー豆の絵が2つ、3つと並び、回転がピタリと止まりました。

すると、スロットマシーンの画面が消え、文字が浮かび上がってきました。黒地に粗い画質のオレンジ色の「大当たり〜」の文字!これを見た瞬間、思わず吹き出しそうになりました。「こう来たか!」と、神のお茶目で粋な計らいにすっかり参ってしまいました。同時に、「受かったんだな〜」とホッとしました。その20分後の結果発表では、受験番号「10」にランプが灯りました。戻ってきた100円玉を握り締めながら、思わず「Thanks, God!」

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「マヨネーズ」 警察での筆記試験は思ったよりひっかけ問題がなくホッとしたものの、100点満点で
90点以上を取らなくてはいけないので、気が抜けませんでした。その日は最終的に56人中46人が合格し合格率82%でした。通常は合格率60〜70%と聞いていた上、教習所の模擬テストと比べてもかなり素直な問題が多くラッキーでした。

教習所では出題の傾向と対策を練るために問題をできる限り収集していたので、お世話になった先生へのお礼と後輩のために、門外不出の問題をなるべく暗記してくることにしました。試験場を出てから合格発表までの間、コーヒー片手に書き出したのが約70問。その後、とうとう計95問全部を(一部うろ覚えを含む)思い出すことができました。その問題をこちらにリンクしてありますので、ドライバー諸兄姉、実力試しにいかが?

西蘭みこと