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Vol.0209 「NZ編」 〜南半球のアクエリアン〜

私は2月7日生まれのアクエリアン(水瓶座)です。ニュージーランドの実質的な建国記念日を、先住民であるマオリの有力者たちと包括的合意に至った2月6日のワイタンギ・デーとすると、かの国もアクエリアンということになります。「一国にそんなものがあるか!」と一蹴されればそれまでですが、なんと言っても「西蘭花通信」は一個人のメルマガ。読んでもらえるかどうかは別にして、何を言うのも勝手なのは助かります。そこで今回は、ニュージーランドはアクエリアンという前提で話を進めてみましょう。

「女の子は占い好き」と昔から相場が決まっていますが、私もご多分に漏れずかなり星占いに凝っていた時期がありました。今でも「ニュージーランド・ヘラルド」の星占いはほぼ毎日チェックしています。どの占いにも書いてある、「天秤座と双子座との相性は抜群、蠍座は最悪」というのは、正直言って実感したことはありませんが、こと自分の性格に関する指摘は、非常に的を得ていると思っています。では、一般的な水瓶座とは?

「知性豊かな理想主義者で、友情に厚くまじめな人です。寂しがり屋で、親切、同情心に厚く、内気な一面も持っています。指導力・統率力を兼ね備えていますので、グループや組織の中ではリーダー的存在になります。独創力・想像力に富んでいますので、常に人より先のことを考える未来派タイプです。創造性に富んでいますが、これは無から有を生むといったものではなく、存在している物からあたらしく再編していくといった類の物です。」

更に「信念が強く、自分自身の考え方に絶対的な自信を持っています。そのため、変人扱いされてしまう事もたまにはあるようです。社会的地位や名声、お金といったものには特に興味を示さない人が多いようです。従って、一定の型にはまることをとても嫌います。自由を愛し、束縛する物に対しては信じられないほどに反抗的になる傾向があるようです。恋愛においても、博愛主義的なところがあり、現在恋人がいても、その人だけを愛することが出来ないといったタイプが多いのも水瓶座の特徴」なのだそうです。

これはヤフーの検索結果で上の方に出てきた、まったく知らないサイトからランダムに引用させてもらったものですが、どの占いでも性格の解釈は五十歩百歩で、「水瓶座とはかくあるべし」という型ができ上がっています。実際、「理想主義者」「独創力・想像力」「存在している物から再編」「変人」「社会的地位や名声、お金に興味を示さない」「一定の型にはまることをとても嫌う」「博愛主義」などには、心当たりありありです。「リーダー的存在」、「未来派」というのも、勉強会を主宰したり、80年代に中国語を始めたり、結果的にそうなっていることもあります。

では、ニュージーランドはどうでしょう?徹底的な非核を掲げ、たいした資源もないのに頑として原子力発電の道を歩まず、大国アメリカからの圧力を受けながらもイラク攻撃に参加しなかったところなど、「理想主義者」であり英連邦の「変人」とも言えるでしょう。「まじめ」「親切」「同情心」「博愛主義」なども、世界各国からせっせと移民・難民を受け入れる姿勢に反映されていると思います。最近でこそ移民・観光ブームで海外から泡銭が流れ込み、不動産高騰でかなり財テクに目覚めたキウイも多いことでしょうが、本来は「社会的地位や名声、お金」には縁遠そうな国です。
(↑おカネに縁遠い「変人」の国にて)

「信念が強く、自分自身の考え方に絶対的な自信」でまず思い出されるのは、2003年のラグビー・ワールドカップです。この大会、もとはニュージーランドとオーストラリアによる共催のはずでした。しかし、いざフタを開けてみたらオーストラリアの単独開催、イングランドの優勝と、ニュージーランドにはまったく出る幕のないものとなってしまいました。ニュージーランドが共催を降りざるを得なかった経緯としては、オーストラリアより予算が少なかったこともありますが、意外にも、競技場からワールドカップのスポンサー以外の広告を撤去することを拒んだことがあります。

ワールドカップと言えば4年に1回の、いわばラグビーのオリンピック。動くカネが桁違いの世界大会です。大会主催者にしてみれば、国内広告の年間契約など取るに足らない問題で、当然のことながら広告撤去を義務付けてきました。ところがどういう訳か、ニュージーランド・ラグビー協会は既存スポンサーとの契約を重視して撤去を拒み続け、最終的に共催から外されてしまったのです!その後、協会は国民への正式謝罪文を出し、幹部は辞任しました。この顛末を見る限り、「あの突っ張りは何だったの?」と思ってしまいますが、これなど「束縛に信じられないほどに反抗的になる傾向」ゆえの、「自信」が「過信」に至った端的な例でしょう。外交ならずとも、ラグビー界でもなかなかの「変人」ぶりです。

最近の国内ニュースを読んでいても、同じアクエリアンとして思わずクスッとさせられるものがいくつもあります。「気持ちはわかるけど、この先どーすんの?」と、思わず誰にともなく聞いてみたくなるような展開には、事前の根回しですべてが決まる日本の政治にないダイナミズムを感じますが、事態が収拾するまでのツケはすべて国民に回ってくるわけですから、国民ひいては社会全体が非常に我慢強く、主義主張に耳を傾ける柔軟さとおおらかさを併せ持っているようです。次回はその具体例をお送りする予定です。(つづく)

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「マヨネーズ」 夫と子供が休暇で日本へ行ってますが、ピッピの看病をしながらの留守番も今日で折り返しました。彼らが帰ってくるまでに@ピッピが出発の時より元気になっている、A家の中が劇的に片付いている、の2点達成が目標ですが、さて結果はいかに?

西蘭みこと