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Vol.034 ■ キウカジ

「お金かかってそう〜」。クイーンズタウンで、前を歩く東洋人3人の家族連れを見てとっさにそう思いました。湖畔を歩く観光客に混じって私達もそぞろ歩いていたのですが、3人がなんとなく目立っていて、「はて?」とよくよく見てみると、ブランドのテンコ盛り!お父さんは「ダンヒルかケント・アンド・カーウェン?」という感じのお堅いカジュアル。淡い色のセーターの襟元にチーフがのぞきます。子供もそれをキュッと小さくしたラルフ・ローレン風で髪は七三。茶色の革靴が場所柄のせいか非常に目立ってました。

そしてお母さん。ベージュの上品なサマーニット。後ろ姿でも「エルメスなのかなぁ?」と思わせる高級感。髪もきれいにセットされていて、表情は見えないけれどきっとナチュラル系フルメイクのはず。それにオフホワイトのサブリナパンツ。素足で履いてる白いドライビングシューズは、も・ち・ろ・んトッズ!襟元にはシフォンのスカーフが揺れてます。

雑誌から抜け出てきたようなコーディネート。「完璧だなぁ〜」と、感心しながらも、まったく趣味が違い、たまたま後ろだったのでそのまま3人の背中を興味深く見ていました。不思議だったのはここまで品のいいアイテムを卒なくキメてるのに、何かこう、お洒落に見えないことです。お金がかかっているのがあざといのか、自然な感じがしないのか?でもどちらも、根拠としては弱いところです。なぜかな?

「そっか、着くずしてないからだ!」と思いました。完璧なリゾート・ファッションでもそのスキのなさに余裕がなく、くつろいだ感じに見えないのです。少し外して自分らしさを忍び込ませるほど服が彼らのものになっていないとでも言えばいいのか。

その一方で、洗いざらしのよれよれTシャツ+ショートパンツ+素足でも、不思議なほどみすぼらしい感じがしなくて、似合っているキウイたちのシンプルな着こなしときたら!彼らに着こなしているという意識があるかどうかすら疑問ですが、とにかく徹底的に自然体で、いつでも、どこでも、誰でも堂々としたものです。お手本にするんだったら断然、こっちのキウ(イ)カジです!

西蘭みこと