Vol.0329 NZ・生活編 〜西蘭家の1年〜                      2005年7月23日

ニュージーランドに移住して丸1年になりました。正確に言えば23日の夜行便で香港を経ち、24日の朝こちらに着きました。本当に1年、365日が過ぎたのです。メルマガ「西蘭家の半年」を書いてからでもすでに半年。驚くほどの早さと思う一方で、その間に起きたことを考え合わせると、なんと盛りだくさんな1年だったことでしょう。住み慣れた場所で例年と同じように過ごしているのとは、根本的に違う時間を生きたようです。人生でも指折りの年となったこの1年、経過報告を兼ねつつ振り返ってみます。
   (季節は巡って再び冬。移住当初、家族で動き回っては手続きに明け暮れたシティー→)


【永住権】
 予想外の規制変更で、まさかの永住権が取れたことはこの1年で最大の出来事でした。本来のロングターム・ビジネス・ビザ(LTBV)であれば、ここでの生活が2年を経たところで初めて永住権申請資格が生じるはずだったので、2〜3年分の夢を前倒しでかなえてしまったことになります。普段の生活は何ら変わるところはありませんが、急に視界が広がりずっーと先まで見通せるようになった気がします。その分、これまでは見通しのきかない霧の中にいたことを思い知らされました。私たちのように生涯ここで暮らすことを決めている者にとり、永住権は本当に心強く、受け入れられた感動と感謝は今でも薄れることなく続いています。

【生活】 西蘭一家の数少ない得意技:「海外生活」(笑)・・・ってなもので、友人知人の惜しみないサポートもあり、ここでの生活はスムーズにスタートしました。長らく中華圏にいたせいか、「どこでも英語が通じるって便利〜」と妙なところで感心しつつも、「私に言われたかないよね、そんなこと」と、ひとりツッこみ(笑) お付き合いは香港時代からの友人→ご近所→子ども・学校関係→ラグビー関係→仕事関係→出先で声をかけられた知り合い(家族ナンパ^^?)と、どんどん広がっています。「社会に根を張るってこういうことなんだなぁ」と実感しつつ、ご縁に導かれるまま貴重な出会いとお付き合いを大切にしていきたいと思います。

【仕事】 "「本当にやってみたい、長く続けられることをやろう」というのが今の本音です。目先の短絡的な安定よりも、NZまでやってきた意義を自他ともに見出せることをやろうと、真剣に考えています。ただ金銭を稼ぐことを目的にするのであれば、間違いなく香港に留まった方が手っ取り早いはずです"と、半年前に書きましたが、夫が最終的に「本当にやってみたい、長く続けられること」を絞り込み、SOHOがスタートしました。やりたいことを最優先している分、「安定」も「金銭」も望遠鏡で見ても見えないくらいで、今の収入たるやミジンコみたいなものです(爆) それでも、興味も情熱もそう簡単には尽きそうにないビジネスを見つけられたことを、幸せに思います。

勤め人しかしたことがなかった2人ですが、今ではこの「不安定さ」を「チャンス」だと、心の底から思えるようになりました。1年という月日が流れたのを実感します。定期収入と引き換えに会社に売り渡していた時間を取り返し、自らの手で再構築している最中です。私自身まだまだやりたいことがあり、家業や家事、その時々で受注している仕事をこなしつつ、「本当にやってみたい、長く続けられること」を少しずつ実現していこうと思っています。見た目には欲張っているだけの虻蜂取らずに見えるかもしれませんが^^;、混沌の中でも道を見失わずコツコツやっていこうと思います。とにかく、時間だけはありますから(笑)

【子ども】 温は中学1年生(日本では小学6年生)、善は小学4年生(同3年生)となり、それぞれの学校で相当楽しんでいるようです。移住して来た直後は子どもなりに不安があったのか、すごくハイテンションになっていたりケンカしたりでしたが、最近では滅多にケンカもしなくなりました。一番大きかった要因は温が中学生になり、一気に大人びたことでしょう。小学生のガキなど「ふーん、すごいんだねー」と言っておけば、目は買ったばかりの「ハリーポッター」の新作に釘付けでもOKというコツが飲み込めてきたようです(笑) 「うるさいなー。本読んでるんだから邪魔するなよー」という一言で家の中の空気が殺伐としてしまう展開にならないのは助かっています。「子育ては12歳まで」を確信しつつある日々です。

【今後】 「今後の最大目標は、ずばり"現地社会に根を張る"ことです」と半年前に掲げた目標は、かなり達成されつつあります。今は張った根から芽を出し、その芽が幹となって枝を張り、花を咲かせては実をつけ、1本のしっかりとした木になっていくよう願っています。個人的には、庭の老木のような圧倒的な存在感と無名性が今後の行く末の鮮明なイメージに重なります。慌しさの中にも、ここで暮らせる感謝と感動を心に、毎日を慈しみ、与えられた時間を押し戴くように生きていこうと思っています。生活の中の「祈り」と「対話」を大切にします。続きは1年後に。

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「マヨネーズ」 今夜は移住前からの知り合いでずっと支えてくれた友人2家族を招き、ささやかながら移住1周年のお祝いをしました。急に決めたのでバタバタ用意している最中、「掃除機が動かない!」という事態に。最近ちょっと不調だったのですが、騙し騙し使っていればなんとかなっていたのに、今日に限ってうんともすんとも動きません。

「タヴィータの家行って借りてきて〜」と、お向かいのトンガ系の家に夫を走らせ、事なきを得ました。こういうことがサラッとできるようになったのも1年経った証です。メニューはおめでたいので前菜は鯛、メインはなんとシーフード・カレー。「キウイだからいいよね〜メニュー」で、この辺のこなれ(=手抜き^^?)具合も1年経った証です(笑)

西蘭みこと