「西蘭花通信」Vol.0650  スピリチュアル編 〜スピリチュアル・ノート記:7つの選択肢から選ぶ人生の課題〜  2013年12月20号

グレートバリア島旅行中に読み返した「スピリチュアル・ノート」(アメリカ人サイキック(霊能者)シルビア・ブラウン著)の話がつづいていますが、このまま行くと丸々1冊引用するまで終わらなくなりそうなので(笑)、今回で「完」とします。最後の話は「7つの選択肢から選ぶ人生の課題」についてです。

前にもお話したように、人は輪廻転生を繰り返し、幾多の人生を通じて学び、魂を磨いていくと言われています。そしてこの世に生まれ変わるたびに、人生の青写真を用意してきます。それには『両親、家族、子ども時代のことから始まり、仕事、健康、経済的な状態、セックスの好み、結婚、子ども、どのくらい生きるかということまで、全部含んでいます』と「スピリチュアル・ノート」にはあり、人生の7割は青写真で決まり、残りの3割は自分で築き上げていくものなのだそうです。

ブラウン氏によれば、人は青写真の中で「自分が最も学びたいと思う人生の課題」を7つの選択肢の中から選んでくるそうです。その7つとは、「家族」「社会生活」「愛」「健康」「精神性」「経済」「仕事」です。この中の一つはどんなに努力してもなかなか上手くいかないもので、それこそが生まれ前に選んだ課題なのです。しかし、自分で選んだものなので、いつかは必ず克服できるそうです。よく言われる「人には克服できない困難は与えられない」というのとも相通じ、これは一つの真実なのではないかと思います。

逆に言えば、一つは上手くいかなくても他はそこそこ上手くいくということになります。「健康を害して仕事を辞め、経済的に苦しくなった」という人でも、健康を害した理由が愛する人に裏切られ、結婚生活が破たんしたための心労から来たものだったとしたら、その人が立ち向かわなくてはいけない一番の課題は「愛」でしょう。それを克服できたら、負に入っていたスパイラルを逆回転させることができるはずです。

数年前にこの本を読んだとき、私は自分の課題がわかりませんでした。どれにも特別な問題を感じたことがなく、「愛」する「家族」と「健康」に暮らし、「仕事」も「社会生活」も順調で、「精神的」に落ち着き、贅沢を言わなければ「経済的」にもなんとかなっている、と思っていました。しかし、今回読み返してみて、課題は一目瞭然でした。こんなにもはっきりとしていることに気づかなかったことに、むしろ根の深さを感じました。

私の課題は「家族」でした。私は50代になって初めて、自分が非常に特別な環境で育ったことに気づき始めました。本当は40年以上前から「何か」に気づいていたのですが、それを理解するには幼すぎ、自分を守るためにできるだけ感情をシャットアウトし、気づいた全てを封印する無関心を身につけた結果、自分でも問題の所在が分からなくなり、問題があること自体忘れてしまっていました。しかし、それは問題がなくなったことを意味しません。

50代になって生まれ育った環境の問題に気づくや、「忘れる」という便利な方法は使えなくなっていました。だったら「ずっと黙ったまま、お墓の中にまで持っていこう」とも思いましたが、どうもその方法も許されなかったようで、問題を無視しようとすればするほど、幼い頃の記憶がありありと蘇り、まるでそこに連れ戻されるかのように40年以上前の家の様子や庭の光景が瞼の奥に広がりました。なぜ逃れようとすればするほど過去に追いかけられるのか、ずっと不思議でした。

本を読み返し、今世での課題が「家族」であることに気づき、謎が解けました。選んだ課題から逃れようとしていたからこそ、何度も何度も問題の原点に引き戻されていたのです。2012年10月に〜50代の宿題:上を向いて寝よう〜を配信し、初めて自分の幼少時代というものを振り返ってみたのは、1ヶ月近く考え抜いての結果でした。今年に入り、〜50代の宿題:慈母〜も配信しました。

〜上を向いて寝よう〜の中で、
『どうやら私の50代は抑圧していた子ども時代のもろもろの感情を、1枚1枚引っぺがし、洗いざらいさらけ出し、きれいにしなければならない時期のようです。繰り返し繰り返し過去に連れ戻されるうちに観念してきました。そして全ての膿出しを終えたときに還暦を迎え、人生が二巡目に入るのでしょう。』
と書いたのは、私の決意表明でした。なぜその時期に突然、今世の課題が突きつけられたのかも、今ではわかっています。私に退路はなく、克服するしかありません。

課題を誰かや何かのせいにはできません。全ては自分が選んできたことなのです。その克服こそが今世の目的ならば、問題を先送りしている間は何度も何度も同じような困難に直面することでしょう。自分の選択を認め、四つに組んでいくしかないのです。その覚悟だけでも、心の片隅に小さな青空が見つけられると思います。さらに「克服できない困難は与えられない」と信じることができれば、青空は少しずつでも広がっていくことでしょう。50代の宿題、遣り残しがないよう、いつかしっかりと書き終えたいと思います。

(完)

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「マヨネーズ」

旅行から戻りふと検索したところ、ブラウン氏は直前の11月20日に77歳で亡くなっていました。本の中で今世が54回目にして最後の転生だと記していましたが、とうとう生まれ変わらなくてもいい神聖な存在になったのかと思ったら、身が引き締まる思いでした。

世の中に偶然はないと信じる私ですが、旅行が雨になり、この本を手に取り、いろいろな事を再認識できたことに感謝しています。謹んでご冥福をお祈りいたします。

(グレートバリア島はマヌカが咲き乱れる美しい島でした。またいつか)

西蘭みこと 

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